CNAレポート・ジャパン 定期レポート アーカイブ(1999年12月〜)

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[TN 2002.6.3 Vol.4 No.6]ポリコム社、新しいオールインワンタイプ”Premier”テレビ会議製品を販売
2002/06/03

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TeleconferencingNOW Vol.4 No.6 <2002/6/3>

電話会議・テレビ会議・データ会議専門ニュースレター

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★★★ TeleSpan WorkShop 2002  ★★★
■■ テレビ会議・電話会議・データ会議の動向と8つのケーススタディー ■■
日米欧の先進事例を実際のユーザなどが事例紹介
展示コーナーなどでの製品デモなどあり
2002年6月12日
場所:リーガロイヤルホテル東京
詳細は、http://www.videoconference-forum.org/MT/TSW/MarcusEvansConference.pdf

(内容等は若干変更する場合もあります)
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[目次]
★ニュースヘッドライン
★ニュースダイジェスト
★ミニミニ紙上インタービュー パートI
★国内イベント情報
★海外イベント情報
★はしもとのコンファレンシング雑考
★訂正とおわび
★編集後記

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★★ニュースヘッドライン★★   <2002/5/1-5/30>
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■ポリコム社、新しいオールインワンタイプ”Premier”テレビ会議製品を販売
<2002/5/30>
■ラドビジョン社、豪ブロードリーチ社と正規販売代理店提携<2002/5/28>
■NTTドコモ「FOMAテレビ電話多地点接続実験コンソーシアム」の設立<2002/5/25>
■ライツアウトマネージメント機能搭載のVNP2.0をリリース<2002/5/22>
■タンバーグ社、A/Vアクセラレータプログラムを開始<2002/5/21>
■ジェネシス社、2002年度1-3月期第一四半期業績 事前予約不要サービス全体の65%
を占める <2002/5/14>
■VCON社、2002年度1月-3月期業績発表 純損失縮小<2002/5/14>
■オクタブ社、中国のeComと代理店販売提携<2002/5/13>
■ACTテレコンファレンシング、2002年度1-3月期(第一四半期)業績
事前予約不要サービス97%増加<2002/5/10>
■レインダンス社、収益とEBITDA予想値を上方修正<2002/5/7>

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* 外貨換算額(5/31現在) 1USD= 124.10 Yen  * 
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★★ニュースダイジェスト★★
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■ポリコム社、新しいオールインワンタイプ”Premier”テレビ会議製品を販売
Polycom Announces New Premier Video Communications Solutions
<2002/5/30>
ポリコム社は、旧ピクチャーテルのiPowerとViewstationを統合し、プラズマディスプレー
や高音質サウンドシステムを組み合わせた新しいオールインワンタイプのテレビ会議製品
Premierシリーズを発表した。北米とヨーロッパでは出荷を開始したが、日本では未定の
よう。低価格のもので、3,299USD(約41万円)から。プラズマ搭載は、25,999USD(約324万円)
から。

http://www.polycom.com/
http://www.polycom.co.jp/
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■ラドビジョン社、豪ブロードリーチ社と正規販売代理店提携
RADVISION Selects New Distribution and Service Partner in Australia
<2002/5/28>
豪ブロードリーチ社との提携で、同社を通して、ラドビジョン社のソリューションをオー
ストラリアとニュージーランド市場に提供していく。

http://www.radvision.com/
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■NTTドコモ「FOMAテレビ電話多地点接続実験コンソーシアム」の設立
<2002/5/25>
NTTドコモがFOMAのテレビ電話を使った多地点接続の実証実験を行うコンソーシアムを設立
した。コンソーシアム参加企業は、5月30日から9月末までの実証実験を通して、テレビ電話
の対応アプリケーションの開発及び市場性の検証を行う。利用にあたては事前登録ののち
可能となるが、テレビ電話利用にはI-modeで行う。テレビ電話中は4画面分割などができ、
当座12人まで参加できる。

NTTドコモMM企画部MVL担当 03-5156-2519 
http://www.nttdocomo.co.jp/
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■ライツアウトマネージメント機能搭載のVNP2.0をリリース
Forgent Networks Unveils VNP 2.0; First Software to Deliver `Lights-Out'
Videoconferencing Management
<2002/5/22>
フォージェント社は、ライツアウトマネージメント機能を搭載したVNP2.0をリリースした。
VNP2.0により、よりビデオ会議ネットワークの予約、管理、運営がリモートからでもより
容易に行えるようになる。ポリコム、旧ピクチャーテル、タンバーグ、VTELの端末などを
サポート。MCUについては、アコードのMGCをサポートしている。

http://www.forgent.com/
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■タンバーグ社、A/Vアクセラレータプログラムを開始
Tandberg Lanuches A/V Accelerator Program
<2002/5/21>
タンバーグ社は、テレビ会議ユーザーが高品質の音声をテレビ会議にもとめることから、
音響メーカーや開発者向けの、テレビ会議と音響機器を組み合わせる際に必要となる
ツールや情報の提供を目的とした、A/Vアクセラレータプログラムを開始した。
今回のプログラムは、インテグレータサポート、コンサルタントサポート、製造業者
パートナーシップの3構成となっている。

http://www.tandberg.net/
http://www.tandbergjapan.com/
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■ジェネシス社、2002年度1-3月期第一四半期業績 
事前予約不要サービス全体の65%を占める
Genesys Conferencing Reports Record First Quarter Results
<2002/5/14>
ジェネシス社の第一四半期の収益は、4840万USD(約60億円)を計上。前年同期の4590万USD
(約57億円)から微増。事前予約不要のサービスの取り扱い数が全体の65%を占め、収益では
47%を占める。2001年10-12月期からは、それぞれ6%ずつ割合が増えている。EBITDAは、
750万USD(約9億3千万円)。

http://www.genesys.com/
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■VCON社、2002年度1月-3月期業績発表 純損失縮小
VCON Announces Results for First Quarter 2002
<2002/5/14>
VCON社の第一四半期は、510万USD(約6億3千万円)を収益計上したが、純損失は、80万USD
(約9900万円)。前年同期は、290万USD(約3億6千万円)の純損失であったので、縮小傾向
にある。営業粗利も53%に改善し、ソフトウエア製品と保守サービス関係からの収益が
前年同期では、全収益の3%であったが、当期は10%となった。

http://www.vcon.com/
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■オクタブ社、中国のeComと代理店販売提携
Octave Communications Expands Presence In Asia Pacific Through Distribution
Partnership With Ecom
<2002/5/13>
中国のeCom社がオクタブ社の販売代理店となった。eCom社が中国国内で、オクタブ社の
OCI1000とOctave Improvも携帯事業者へ販売していく。あわせて、インテグレーション
やコンサルティングサービスも行う。

http://www.octavecomm.com/
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■ACTテレコンファレンシング、2002年度1-3月期(第一四半期)業績
事前予約不要サービス97%増加
ACT Teleconferencing Announces First Quarter 2002 Results
<2002/5/10>
第一四半期の収益は、1280万USD(約15億9千万円)を計上したが、150万USD(約1億8千万円)
の損失(前年同期は黒)。前年同期より11%増収。事前予約が不要な音声会議サービスの取り
扱い数、それに伴う収益も、それぞれ97%、60%と増加したが、オペレータ介在サービスが
21%減。テレビ会議サービスは、352%増。

http://www.acttel.com/
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■レインダンス社、収益とEBITDA予想値を上方修正
Raindance Raises 2002 Revenue and EBITDA Forcast, Completes Interact Acquisition
<2002/5/7>
新規顧客と既存顧客のサービスの利用増により、収益とEBITDAの予想値を上方修正したと
レインダンス社は発表。また、同社では、インターアクトコンファレンシング社の買収
完了も報告。その買収した会社も織り込んでの予想値の上方修正となった。2002年度では、
これまでの収益予想値が5500万USD(約68億2千万円)から5700万USD(約70億7千万円)の間で
あったが、今回の修正により、6000万USD(74億4千万円)から6200万USD(76億9千万円)に変
更、EBITDAについては、これまでの500万USD(約6億2千万円)から20%上方修正し、600万
USD(約7億4千万円)と予想値となった。

http://www.raindance.com/
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★★ミニミニ紙上インタービュー パートI★★
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ミニミニ紙上インタービューのコーナーです。今回から不定期にミニミニ紙上インタビュ
ーを行っていきます。今回第一回目は、ワイヤーワン社のCTOマイク・ブランドフィーノ氏
です。

IPビデオ会議ネットワークサービス(GlowPoint)のビジネスを展開するWireOneは、今年
の3月に東京にWireOneのPOI(接続ポイント)を設置したことを発表しました。現在、
WireOneは、アメリカはもとよりイギリスにもPOIを設置しており、アメリカ、ヨーロッパ
のIPビデオニーズに対応してきましたが、東京にPOI設置したことについて、同氏にいくつ
か質問させてもらいました。

<橋本>
今回の東京でのPOI設置で、日本のテレビ会議ユーザもWireOneのGlowpointサービス
(IPビデオ会議ネットワークサービス)を利用することが可能になったのでしょうか。
日本法人などの設立はどうでしょうか。

<ブランドフィーノ氏>
現在のところ、日本にはWireOneと提携している販売代理店がいないので、現在探して
いるところですが、今回のPOI東京設置は、弊社のアメリカのIPビデオ会議ユーザー顧客
対して、日本へのゲートウエーサービスを提供することが当面主な目的です。また、
現在のところ日本法人設立については未定です。

<橋本>
東京にPOIが設置されるということは、たとえば大阪や、札幌、福岡などのISDNテレビ
会議ユーザーがいれば、そこから東京までの遠距離通信費用が別途費用的にかかるという
ことになりますよね。また、ISDNでの接続帯域のサポートはどのようになりますか。

<ブランドフィーノ氏>
そのとおりです。今のところ日本国内では東京にのみゲートウエーを設けていますので、
東京までの国内遠距離通信費用が別途かかるということになりますが、1コールあたり
の帯域については、384kbpsまで対応します。

<橋本>
日本におけるIPビデオ会議ユーザーに対するサポートについてはどのようお考えでしょう
か。

<ブランドフィーノ氏>
IPビデオ会議ユーザーのラストマイルのソリューションとしてE1接続を考えています。
ADSLは、IPビデオにとって上りも下りも十分な帯域を確保できていないので、私どもが求
めているクオリティーを満たしていません。今のところ、日本での最適解はなんであるの
か、SDSLやATMも含め検討しているところです。

<橋本>
御社は、インターナップを利用されているのでしょうか。最近インターナップのCEOが来日
されあるカンファレンスでの講演で御社の名前も挙げられていましたが。

<ブランドフィーノ氏>
その通りです。弊社はインターナップのコロケーションサービスなどを利用して、弊社の
太平洋地区へのGlowPointサービス提供を拡大しています。
また、実際のところ、弊社がインターナップのサービスを利用することにより、インター
ナップの顧客にもビデオ会議サービスを提供しています。これを、”Glowpointイネーブリ
ング”と呼んでいますが。基本的には、それらの顧客を、弊社の顧客として登録させていた
だき、ゲートウエーサービス、多地点接続サービス、オペレータアシスタントサービス、
利用状況案内、請求サービス等を提供させていただいております。

<橋本>
ありがとうございました。

(了)

http://www.wireone.com/(ワイヤーワン社)
http://www.wireone.com/press/2002/wo032002pr.htm(関連プレスリリース)
http://www.internap.co.jp/(インターナップジャパン)

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★★国内イベント情報★★
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■TeleSpan Workshop 2002

開催日:2002年6月12日
場所:リーガロイヤルホテル東京
主催:「マーカスエバンスジャパン株式会社/TeleSpan Publishing Corp.
PDFパンフレット:
http://www.videoconference-forum.org/MT/TSW/MarcusEvansConference.pdf
*テレビ会議、電話会議、データ会議動向、8ケーススタディなど。

■e-Learning WORLD 2002

 開催日:2002年7月24日?7月26日
場所:東京ビックサイト
主催:「e-Learning WORLD 2002」実行委員会
URL:http://www.elw.jp/
*遠隔教育関係

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★★海外イベント情報★★
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■InfoComm 2002

開催日:2002年6月8日?6月14日
場所:アメリカ・ラスベガス Sands Expo and Convention Center
主催:International Communications Industries Association, Inc
URL:http://www.ntpshow.com/infocomm2002
*テレビ会議関係のカンファレンスが結構あります。

■Collaborate Conference & Expo East 2002

開催日:2002年6月25日?6月27日
場所:アメリカ・ボストン Hynes Convention Center
主催:Advanstar Communications
URL:http://www.collaborateexpos.com/
*テレビ会議、音声会議、データ会議全般

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★★はしもとのコンファレンシング雑考★★
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テレビ会議雑考---さらなる普及を目指し、業界一致団結すべし

テレビ会議は、これまで毎年、もうすぐ爆発的な普及をするとなんども聞かされてきま
したが、不発に終わった感がします。今はテロやIPがテレビ会議を救うとばかり、もりあ
がっていますが、最近のメーカーなどからの四半期の数値などを見ているとどこに「テ
ロ特需」があるのかなと感じているのは私だけでしょうか。あるメーカーの業績発表の
コンファレンスコールに参加したのですが、まだ、売上に反映されるのには時間がかかる
とのこと。

テロ後、多地点業者でのサービス利用は増えたようですが、業界全体的にはハイプ(単な
る空騒ぎ:Hype)だけだったのではないかと思います。後述するIMTCのカンファレンスで
も、テロ特需についての声は、全く影を潜めていました。

ところで、今のところテレビ会議は、「特定のニーズを 持った顧客」じゃないと売れない
商品じゃないかと思っています。

確かに、ここ数年で価格も下がってきたようですし、製品の性能も上がってきてはいると
思いますが、これがまだ爆発的にならないのは、普及するための必要要素に欠けていると
ころがあるからだと思います。それは技術的なものや性能的なものもあるかと思いますが、
もっとも重要なものは価格だと思います。

テレビ会議が提供するメリットは、生産性の向上や、出張にかかわる費用の削減など、
結構どの企業でも重要な経営課題であるはずにもかかず、テレビ会議が一部の企業みで利
用されいて、あまりまだ全体的にみても広く利用されていないということを考えると、価
格がネックになっているのが現状じゃないかと思います。全世界では、50万台の導入実績
があるテレビ会議とは言われますが、全世界には企業数はどのくらいあるのかということ
を考えればまだまだ普及には程遠いのではないかと思います。

ただ、大企業の多くで利用されていると実績があるわけですからそれなりに技術的にもし
っかりしてきているのではないかと思います。それでなければ全く誰も利用しないでし
ょう。

日本では、セットトップのテレビ会議システムでローエンドのものでも、定価で、80万円
くらい(実売で50から60万円あたりの話を以前聞いたことがありますが)するようですが、
これが、定価20万円前後になれば普及に弾みがつくのではないかと見ています。

ただ、メーカーとしても当然利益を上げていかないといけないので、そこあたりのバランス
をどうとるかというところで、一夜にして値段がどんと下がるということは期待できない
でしょう。ある外国のメーカーの方が、「確かに高いというイメージはあるかもしれ
ませんが、今までもだいぶ価格は下がってきていますし、これからも、この傾向はつづき
ます。当然われわれも飯を食っていかないといけないので今日明日ということはありえな
いです。努力はしています。」とおっしゃっていました。

5月中旬、ジュネーブで開催されたIMTC/Wainhouse Spring Forumというテレビ会議に関
する3日間のカンファレンスに出席してきたのですが、そこでは、テレビ会議が普及しな
いという理由は、文化的、技術的、人間行動的なものが理由であって、価格(導入コスト)
ではないという見方が大半の出席者の中に見られたのですが、出席者100名ぐらい(韓国人
の方数名、日本人私ひとり)のほとんどは、アメリカやヨーロッパ のメーカーや、多地点
サービス業者、大企業ユーザーばかりでしたので、そのような意見になったんじゃないか
と思います。2000ドルを切る感じで欧米でセットトップが売られていたら価格がネックと
は見ないかもしれませんが。

また、価格以外にも、こういったセミナーなどでの利用事例などでいつも気になるのが、
ほとんどが大企業などの利用事例の紹介が多いということです。中小企業にはあまり参考
にはならない場合が多い感じがしています。

先ほどのIMTCのカンファレンスでは大企業ユーザーのケーススタディーのセッションもあ
ったのですが、そこでは全世界の拠点でIPテレビ会議を導入云々、拠点では6Mbpsや45Mbps
など云々といったもので、他の”大企業”にとっては確かに役に立つような話なんでしょ
うが、たとえば、私みたいな、零細企業にはなんの役にもたたない、雲の上での出来事に
しか見えないわけです。アメリカやヨーロッパでは、 6Mbpsや45Mbpsを簡単にどの企業
でも引けるものなのかということです。中小企業でも、映像通信がミッションクリティカル
なアプリケーションであれば、大枚を叩いてでも導入するところはあるでしょうが、先ほど
のメーカーの方も、言っていましたが、「大企業の事例だけだと、聞いている中小企業は、
皆、”Frighted”驚き、自分達には関係ないものだと、逆に敷居を高くしてしまっている
ところがあるかもしれない。」と。大企業の利用事例だけでなく幅広いものが必要かと思
います。特に、日本の企業の99.7%は中小企業なのですから。中小企業などのサクセスス
トーリがもっとあるといいのではないかと思っています。

今回のカンファレンスでは、「なぜテレビ会議が普及しないのか」といったセッションが
あったのですが、上記のとおり、文化的(Cultural)、技術的(Technology)、人間行動
的(Human Behavior)などだとの指摘や、テレビ会議での映像は、ミッショ ン・クリテ
ィカルなのかという議論もあり、上記の大企業ユーザーパネリストは、「当社では新製品
の薬品などをじかに見せたりしないといけないので、ミッショ ンクリティカルなアプリ
ケーションだ」という意見もあって面白い内容でした。

ただ結局は、理由をならべただけで、それではどうすればいいのかという解決案などが具
体的には聞かれなかったので残念でした。どうようなセッションは、たとえば、例年の
TeleConなどでもあったりするんですが、やはり同様に、その解決にはこう すべき、こう
すべしという、はっきりとした取り組み案はほとんど聞けることはありません。昨年の
TeleConでもそうでした。

また、多地点サービス業者の将来の役割というセッションもあって、時間の関係上、 最近
の通信事業者の経営悪化がどのように多地点サービス業者に影響を与えるかという議論ぐら
いしかなかったのですが、一社に専用線をリースする のはリスクが高いため、数社にリー
スを分散しリスクヘッジを行っている動きをしているといったある業者の話がありました
が、残念ながら役割の話まではいきませんでした。

また、2007年にはテレビ会議のクオリティーはこのようになるというようなメーカー
からの発表もあったのですが、それではまだまだ弱いという感じがします。

やはり、メーカーから、あるいは業界全体としての、例えば、2010年のビジョン を語
ってもらいたいなと強く思った次第です。会場では、ただ、メーカー間で競争をすればいい
というような発言があったのですが、ただ競争すればこの業界が伸 びるのか、私にはちょ
っと疑問です。文化的、人間行動的な変化がこのテレビ会議技術の普及に必要なものであ
れば、大いに、たとえば2010年に は、われわれのビジネススタイル、生活スタイルな
どなどはこのようになる、こうしてみせるというような意気込みがほしいですね。

でも、レセプション(レマン湖畔にあるおしゃれなレストラン)もあり、結構業界の方々
と密度の濃いお話などをする機会がもてたので非常に有意義でした。また、IMTCとしては、
11月に同様なものをニューヨークで行うようですが、その際はソニーとの共催だそうです。

日本のテレビ会議市場は、アメリカ市場の10分の1の規模しかないようですが、日本市
場として今後五年以内に、アメリカ市場の2分の1まで成長させるというような市場成長
をさせるためのビジョンを業界としてみせてほしいところです。昨年ビジュアルコミュニ
ケーションズ推進協議会がドコモとテレビ会議メーカーで結成されましたが、業界全体的
なビジョンの策定と、ユーザーをサポートするためのさまざまなアクションを期待したい
です。

また、たとえば、今ではメーカーやユーザーグループ、地域毎でしか行われていませんが、
そういった垣根を取っ払った会議を開き、どうやったらこの業界を育てていけるのか、ユ
ーザーの理にかなった製品開発などについての議論の場がグローバル規模で開催されるこ
とを期待します。

IMTC/Wainhouse Spring Forum

発表資料: http://www.imtc.org/SpringForumAgenda2002.htm

基調講演のストリーミング: http://www.genesysrichmedia.com/IMTC/welcome.htm
写真: http://www.imtcevents.org/sf2002/geneva/frameset.htm
*残念ながら私は、ブラウザーの下の写真が並んでいる左から11番目と12番目に後姿の
み映っています。

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★★訂正とおわび★★
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Vol.4 No.4 <2002/3/27>発行のマガジンで"韓国C&S、H.323対応のテレビ電話リリース"の
記事でテレビ電話(Vizufon)の価格について記述に誤りがあるとのことで、韓国C&S社より
訂正の依頼がありました。韓国C&S社と関係者に対してのお詫びと同時に訂正をさせてい
ただきます。価格は、USD350ではなく、”オープン価格”とのことです。失礼しました。

韓国 C&S Technology Inc. http://www.cnstec.com/

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★★編集後記★★
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上記記事でも書きましたが、「FOMAテレビ電話多地点接続実験コンソーシアム」の関
係で先週ドコモの説明会が開催されましたので参加してきました。参加人数は、100人
ぐらいはいたかと思いますが、ドコモMM企画部MVL担当の方々が今回のコンソーシアムの
概要からFOMAのテレビ電話で4画面分割多地点接続のデモを行いました。

あんな小さな画面で見分けがつくのかと半信半疑で行ってみましたが、人の区別もつくし、
表情もなんとかわかる感じなので、なんとか4画面分割でもミーティングがテレビ電話で
できそうだなとの印象でした。かならずしも、4画面分割だけでなく、通常の1画面表示
でもできるし、1画面固定などもできるようです。対象端末は、ドコモのFOMAテレビ電話
のみで、NTT東西が販売しているMOPETTは今回は対象外。

ドコモとしては参加企業に自由に利用してもらい、テレビ電話に適したアプリケーション
を見つけてもらい、また今回このようなFOMA向けの多地点サービスの市場性の確認が目的
で、秋以降本サービスとして展開するようです。ただし、H.323やSIPなどとの相互接続性
は検討中。

ドコモMM企画部によると現在のところ70社が参加を申し出ているとのことで、参加は随
時9月まで申し込み受付中とのことでした。ただ、テレビ電話端末、通信料などは参加
企業等の自己負担。私もFOMAのテレビ電話がほしいところですが、家内の許可が下りない
ため今回は断念です。とほほ。。

編集 橋本啓介

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TeleconferencingNOW Vol.4 No.6 <2002/6/3> 終わり  
<次回定期発行予定:2002/7/2頃>
発行時読者数:1095名(まぐまぐ、Melma、Nifty Macky!合計) 
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発 行:マルチメディア テレコンファレンス フォーラム
Japan Collaborative Multimedia Teleconferencing Forum
http://cnar.jp
編 集:橋本 啓介(kay@rr.iij4u.or.jp)
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