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[TN 2002.7.10 Vol.4 No.10]特集:イタリア アエスラ社社長インタビュー
2002/08/01

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TeleconferencingNOW Vol.4 No.10 <2002/8/1>

電話会議・テレビ会議・データ会議専門ニュースレター

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[目次]

★特集:紙上インタービュー パートII イタリアアエスラ社社長
★国内イベント情報
★国内イベント情報
★説明会案内
NTTドコモ「FOMAテレビ電話多地点実験コンソーシアム」・「Vライブ」説明会開催
★テレスパン テレコンファレンシング ワークショップ 2002 セミナー開催報告
★編集後記

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★★紙上インタービュー パートII イタリア アエスラ社社長 ★★
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今回のインタビューはイタリアの通信機器などのメーカーであるアエスラ(Aethra)社の
社長兼創業者であるジュウリオ・ヴィエッツォリ(Giulio Viezzoli)氏をインタビュー
させていただきました。ミニインタビューの予定が、今回は”ミニ”ではなくなりました。
すいません。
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(TN橋本)
今回はインタビューに応じていただきありがとうございます。このTeleconferencingNOW
のメールマガジンの読者の中には、御社のことについて知らない方もいるかもしれません
ので、まずは簡単に御社のご紹介をしてください。

(ヴィエッツォリ氏)
はい、わかりました。私どもアエスラ社はイタリア企業です。会社としては1972年に設立
され、年で30周年を迎えます。設立当初から、私どもは電気通信分野に関係するさまざま
な製品を開発し製造してきました。また、それに引き続き90年代の初めには、テレビ会議
や音声会議などのコンファレンス製品やソリューションをR&Dなどを通して開発してきま
した。
今日、アエスラ社としては、(1)ISDNやネットワーク関係の端末、(2)試験計器、
(3)テレビ会議・音声会議システムなどのコンファレンス用端末、(4)音声、ビデオ、
データによる多地点接続サービス、などの4つの分野での事業を行っています。

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(TN橋本)
最近のIPへの市場の移行も含めて、全体的に現在のコンファレンス市場を御社としてどの
ように捉えていますか。

(ヴィエッツォリ氏)
最近の市場の傾向として、コンファレンスソリューションやアプリケーションに対する市
場の関心が高まりつつあると見ています。
IPネットワークでの音声や映像のよりよい伝送のためには、最適かつ信頼性の高い回線が
必要ですが、最近のIPネットワークでの伝送能力も以前に比べればよくなっていると思い
ます。
いずれにせよ将来はIPの時代は間違いないと弊社では見ていますので、私どもの製品、シ
ステム全てにおいてIPインターフェースを装備しております。この時代の流れには弊社と
してすでに対応しています。

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(TN橋本)
御社のコンファレンス事業では、どのような製品やサービスを提供しているのでしょう
か。端末販売だけでなく、コンファレンスサービスも提供しているようですが。

(ヴィエッツォリ氏)
私どもアエスラ社は、取り扱いのコンファレンス製品としては、さまざまな製品を幅広く
提供しているということで非常によく知られています。たとえば、コンシューマー向けの
テレビ電話Maiaシリーズ、小グループテレビ会議向けではVEGAシリーズ、また中大人数向
けなどに対しては、NovaとSupernovaシリーズを用意しています。これは、多様化した顧
客ニーズに十分に対応するように設計開発された製品群であり、幅広い製品群を擁してい
る弊社アエスラ社の強みであります。
また、テレビ会議だけでなく、音声会議へのニーズに対応した製品も準備しています。ビ
ジネスのさまざまなニーズや用途に十分な機能、性能を提供しています。
また、単に端末製品を開発して販売するだけでなく、先ほども申しましたが、ビジネスの
会議需要に対応すべく、音声、ビデオ、データ会議の多地点接続サービス、ビデオストリ
ーミング、大規模クラスのテレビ会議室のレンタルや設置サービスなども幅広く手がけて
おります。

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(TN橋本)
御社の市場におけるポジショニング、マーケットプレゼンス、パートナーシップなどはど
うでしょうか。

(ヴィエッツォリ氏)
弊社は、イタリアのコンファレンス市場では、市場の75%を押さえマーケットリーダー
です。またイタリア市場としては、全ヨーロッパ市場の9%から10%の市場規模となっ
ています。
弊社は、世界の電気通信市場でリーディング・ポジションを占めておりまして、コンファ
レンス関連の製品だけでなく、ネットワーク関連の製品も含め世界60カ国でビジネスをさ
せていただいております。
全世界でのマーケットシェアーは4−5%ぐらいで、各国のパートナーと協調してビジネ
ス展開を行っております。

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(TN橋本)
他社製品などに対する御社の強みはどこにありますか。

(ヴィエッツォリ氏)
私どもの製品の強みは過去30年の歴史から来ております。まず、基本的には私どもは電
気通信分野でビジネスを行う企業であり、電気通信分野から見ればコンファレンスという
のはネットワークに乗っかるアプリケーションだったわけですが、そこで培った伝送技術
における私どもの経験とノウハウは、現在私どもが提供しているコンファレンス関連の製
品などにも生かされております。
いずれにせよ、これが大きな他社との違い、強みと言えると思っております。つまり、私
どもはネットワークについて技術的に熟知しているということです。その「ネットワーク
を熟知している」という強みから私どもは、短時間にさまざまな顧客ニーズにマッチした
ソリューションをカスタマイズすることもできるのです。

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(TN橋本)
御社はどちらかと言うとコンファレンス関連のビジネスを重視しているようですが、ビジ
ネス戦略についてお聞かせいただけませんでしょうか。

(ヴィエッツォリ氏)
当初は、私どもはコンファレンスを電気通信市場のアプリケーションのひとつと捉えてい
ましたが、今はコンファレンス自体が私どものビジネスそのものになっております。コン
ファレンスの一般的なアプリケーションとしてはまず、遠隔地間でのビジネスミーティン
グになります。
最近は、e-ラーニングに対する需要が高まっている状況から、遠隔地間での学習プロセス
を、こういったコンファレンスの技術を利用して行うというアプリケーションも出てきて
おります。
さらに、弊社は、遠隔医療や遠隔監視など向けへのソリューションも開発しております。
例えば遠隔医療向けでの“アエスラ・ソリューション”としては、Eykona700と呼ばれる
医療向けマルチメディアシステムがあります。このシステムは、イギリスで発行されてい
るコンファレンス業界紙であるVideoconferencing Insightの“2001年遠隔医療部門プロ
ダクト・オブ・ザ・イヤー賞”を受賞しています。Eykona700は、同紙の編集長から、
「医療分野が必要とする機能を必要十分に搭載したシステムである」と評されています。
昨年のニューヨークでのテロ事件の後、セキュリティに対する需要は個人、企業を問わず
世界中で非常に大きくなりました。個人レベルでは、家族、自宅の安全を確保したいとい
うニーズがあり、また企業サイドでは、非常に大きな建物の安全を昼夜を問わず確保する
にはどうしたらいいのかという課題が新たに出てきております。
コンファレンス市場は、アプリケーションについても同様ですが、常に変化に富む、面白
いマーケットです。また個々のアプリケーションのソリューションを考えていく上で、個
々に違った特色を出していかないといけないということもあるので、技術の面からもアプ
リケーションの面からも結構複雑な面があったりするのですが、私どもはさきほどご紹介
したニーズなどにも対応すべく、常に新しいソリューションを、通信やビデオストリーミ
ングなども含め、開発しようとしております。 引き続きこのコンファレンスビジネスに
弊社としてコミットしていき、リソースを傾注していく所存です。

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(TN橋本)
数多くの国々でビジネスパートナーがいるにも関わらず日本市場は今のところまだ真空状
態のようですが、今後の日本市場に対するビジネスプラン、戦略などがありましたら、お
伺いできますでしょうか。

(ヴィエッツォリ氏)
日本は今、今後のビジネス展開として考えている市場です。今実際のところ、市場開拓、
パートナー探しといったところで、さまざまな可能性を模索しているところです。

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(TN橋本)
TeleconferencingNOWメールマガジンの読者に対してなにかメッセージがありましたらどう
ぞ。

(ヴィエッツォリ氏)
そうですね。日本市場は現在私どもの関心のもっとも高いマーケットです。今は私どもの
ビジネス戦略のもとに、日本でのビジネスパートナーを探しているところです。私どもが
理解しているところでは、より先進的、かつ技術的なイノベーションを短期間で達成する
ためには、ビジネスパートナーとよく協力していくことが重要です。もし、この
TeleconferencingNOWメールマガジンの読者で興味がある方で“チャレンジ”してみたい
と言う方、は是非ご連絡ください。お待ち申し上げます!

(TN橋本)
本日はお忙しい中どうもありがとうございました。

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(橋本コメント)
イノベーションは、常にアエスラ社の戦略のもっとも重要なポイントで、また、同社にと
って最先端を行く技術は国際市場で成功するためのキーポイントだとおっしゃっていまし
た。
アエスラ社は、インタビューでもありましたが、テレビ会議、音声会議、試験計器、ISDN、
xDSLネットワーク・ターミネーション、多地点サービス、データマネージメントサービス
など幅広い製品やサービスを開発しています。
実際のところ、60カ国以上の国でのプレゼンスを持ち、世界の電気通信事業者40社以
上に対して製品等の供給を行っていて、イタリア国内での市場占有率は75%を超える
リーディングカンパニーとのこと。
今後日本市場でどのように展開してくるのか期待するところです。

テレコンファレンス・リソース・センター(http://www.hkeis.jp)のホームページには
社長の写真や製品の写真を掲載したインタビューバージョンを8月5日以降に掲載する予定
です。
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Aethra社連絡先:ホームページ:http://www.aethra.it

Francesca Galeazzi
Communications and Corporate Relations
Tel: +39 071 2189742
Fax: +39 071 887077
francesca.galeazzi@aethra.it

Jenny Flack
Communications and Corporate Relations
Tel: +39 071 2189 742
Fax: +39 071 887077
j.flack@aethra.it

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★★国内イベント情報★★
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■「FOMAテレビ電話多地点実験コンソーシアム」・「Vライブ」説明会開催
開催日:8月2日 10:00 ?12:00 (受付開始 9:30)
場所:東京都港区虎ノ門2-2-1 JTビル8階
主催:NTTドコモ クロスメディアビジネス部 MVL担当
詳細:http://www.videoconference-forum.org/DoCoMo/mvl.html
下記説明会案内ご参照ください。

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★★海外イベント情報★★
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■Polycom User Group Annual Conference
開催日:8月24日- 8月28日
場所:アメリカ フロリダ州 オーランド
主催:Polycom User Group
詳細:http://www.pug.com/

■CeBIT asia 2002
開催日:9月2日- 9月5日
場所:中国上海新国際エキスポセンター
主催:Deutsche Messe AG
詳細:http://www.cebit-asia.com

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★★テレスパン・テレコンファレンシング・ワークショップ 2002 ★★
セミナー開催報告
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出席者数68名、質の高いセミナー、来年2003年春第3回目を予定

前回平成13年7月の第一回目のTeleSpanセミナー(148名)に比べ今回は、出席
費用が7万円ということもあってか、出席者数は少なかったですが、潜在的ユーザーある
いはユーザーが9割方全出席者を占めました。前回にくらべ管理職レベルなどのキーマン
の方々の多数の参加も見られました。

今回のセミナーでも基本的には前回の構成を踏襲して、プレゼンテーションセッションと
各スポンサーの展示コーナーの構成となりましたが、前回の市場概要的な内容が大半だっ
た前回に比べ、今回はケーススタディを7セッションをもうけました。

各セッションでは、テレスパンのエリオットゴールドがナビゲーターを務め、日英語が飛
び交う(同時通訳)なかで、日本人のみならず外国の方の出席も見られました。

まず最初に、エリオットゴールドがテレコンファレンスの概要的な導入的なプレゼンテー
ションを行い、それにつづき、テレコンファレンス技術・製品のユーザーが、利用事例と
いうことで導入経緯や、導入後の利用方法、メリット、課題などについて発表していただ
きました。実際に会場でプレゼンテーションしていただいた企業ユーザーもありましたが、
テレビ会議を通して、国内だけでなく海外のユーザー(アメリカ、オーストラリア)から
の発表もあり、会場では熱心に聞き入る出席者や、メモをとる出席者も見られ、発表後の
質疑応答も活発な質問や意見が出席者から出ていました。各セッション後は、エリオット
ゴールドが一言コメントをいれたり、講演者に質問したりといった場面もありました。

また、休憩時間などでは、各社の展示コーナーには出席者が集まり、製品概要を担当者に
確かめたり、簡単なデモなどが行われていました。

最後にはレセプションも行われ、出席者、スポンサー各社などでのネットワーキングが盛
んに行われました。

また、出席者アンケートでは、「具体例が聞けて参考になりました。実際に導入・運用を
行っていくのに苦労された点などを伺うことができ良かったです。」といった声も聞かれ
ました。

スポンサー企業:(あいうえお順)
グローバルクロッシング  http://www.asiaglobalcrossing.com/japanese/index.htm
コンピュネティクス(NTT-ME代理店)http://www.compunetix.com
http://www.ntt-me.co.jp
ソニー株式会社/ソニーマーケティング株式会社 http://www.sony.co.jp
タンバーグ日本事務所  http://www.tandbergjapan.com
日本テレコム株式会社 http://www.japan-telecom.co.jp
ポリコム株式会社  http://www.polycom.co.jp/

写真等は以下のURLにあります。
http://www.videoconference-forum.org/tws.htm

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★★編集後記★★
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暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。こんなに暑いとなにもする気
がなくなりますね。
今号はニュースが入れられず申し訳ございません。
いずれにしても、最近NASQAQ組みの企業は四半期の業績を発表していますので、近日中に
ニュースなどを纏めたものを発行します。
来月は中国の上海でCebit Asiaが開催されますが、視察に行きますので何か関連の情報が
あれば皆様にまた後日ご報告したいと思います。

編集 橋本啓介

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TeleconferencingNOW Vol.4 No.10 <2002/8/1> 終わり  
<次回定期発行予定:2002/8/31頃>
発行時読者数:1211名(まぐまぐ、Melma、Nifty Macky!,Pubzine.com合計) 
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発 行:テレコンファレンス・リソース・センター
Japan Teleconference Resource Center
http://cnar.jp
編 集:橋本 啓介(kay@rr.iij4u.or.jp)
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http://www.hkeis.jp/
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バックナンバー:http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000021659
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