あとカンファレンスセッションについては、技術的なトピックをあつかったものから実際の利用事例といったアプリケーション
まで幅広くあって、私自身は技術屋ではないので、技術的なセッションにはあまり出ず利用事例を扱ったセッシ ョンに主に参加しました。セッションでは、自己紹介をしなければならなくて、私も日本から来たと自己紹介したん
ですが、ドイツやらフランスなどからも参加者がいるようで、また技術屋の方だけでなく、教育関係やら金融関係 などの幅広い参加がありました。
ISDNデッド説(ISDN終焉説)がコンファレンス会場を席巻した観がありましたが、必ずしもISDNが死んだいう
のは時期尚早だといった意見もあって、ISDNデット説については、意見が評論家、専門家のなかでもわかれ ているようです。ブースでAT&Tの人に聞いたところ、ISDNはビックビジネスであり、キャリアとしてはやめるわ
けにはいかいという。
コンファレンスに参加しているある企業の社長さんと話をしたところ、これからはISDNではなく、DSLがいい
との話。ISDNはヘディク(頭痛)だとのこと。ISDNを引くよりは、DSLのほうが簡単に設置できる。
月ISDN35ドル、DSL月50ドル。DSLのほうが帯域がISDN(特にBRI)よりも全然おおきいので利用価値が
高い。確かにコンファレンスでもWANをつなぐ線は、当座はISDNかもしれないがいずれはDSLにとって変わ られるのであろうとの話が結構ありました。
また、テレビ会議を中心としたマルチメディア市場はまだまだテイクオフ(立ち上がる)していない。
理由、使い勝手が悪い、カルチャーの問題、テクノロジーがニーズに合致していないといった意見がでたの ですが、その中でも特にカルチャーの問題が一番大きいだろうということで、カルチャーを変えていくことは
時間のかかることなので市場がテイクオフするのもしばらくかかるのではないかとの見方。
テレビ会議市場が立ち上がらない原因として評論家が上げていたことで、社長がテレビ会議室に入ったと
ころバグが発生してうまくシステムが立ち上がらなかったため社長が使えないと烙印を押してしまい、その 会社では、それからテレビ会議は使わなくなった。こういったちょっとしたことで市場が立ち上がらないとな
ればこれほどもったいないことはないので、特にビジネスの現場では、箱からテレビ会議装置を出して、 2?3の配線をして、電源ONすれば簡単にすぐ使えるという感じでないとユーザは使わないのではないかと
いった意見もありました。
テレビ会議システムを導入しても結局は、埃がかぶってしまい宝の持ち腐れになる場合が多い。
見られることについての意識について、人間は見ることはいいが見られることにはなれていないので、テレ
ビ会議のカメラの前に立ちたくなくなる。こういったことも市場が立ち上がらない原因ではないかといった意 見も出ておりました。
利用事例については、医療、学校、銀行等でテレビ会議がポイントポイントかマルチポイントにて利用されているようです。
一般企業では、KINKO'Sの利用事例が紹介されていて、一番利用されているのが、会社の面接試験との
ことで、その他はいろいろあったのですが面白かったのは、ワインの試飲会をテレビ会議を使って行うとい うものでした。KINKOでのテレビ会議の利用は年々増えているようです。
また、先日ピクチャーテルとインテルが提携しましたが、それについても話があって、ピクチャーテル、イン
テルの提携は、1年以内に解消する可能性ががある。(Elliot Gold氏)
インテルのテレビ会議ビジネスは、切り出したかった部門であったのでピクチャーテルに投げたという感じ。
あまり儲かる商売ではない。現にISDNH320テレビ会議製品セールスは97年度から98年度にかけて減少 している。(Andrew Davis氏)
などなどで、技術的な話から利用事例、マーケティング等々幅広いテーマでのコンファレンスでした。今回の
コンファレンスでは、主催者のBCRの社長であるJerry Goldstone氏や、評論家であるC,Perey氏A.Davis氏、 マルチメディアニュースを毎日メールで配信しているKOZKOMNEWSの編集を行っているT.Snook氏等とも意見
交換を行う機会もでき、是非日本の方々がもっと参加していただくといいのではないかといった話もありました。
また、BCRではテレコンファレンス専門誌DVCマガジンという雑誌を発行していましたが現在は休刊中となっ
ているようなのでなぜかと聞いてみたところ、広告がつかない!という理由で発行ができないとのことだそ うです。
MultimediaComを日本でという話では、J.Goldstone氏曰く「ビジネス的に採算がとれれば是非行いたい。」
このMultimediaComは、ただコンファレンスに参加するだけでなく、毎日レセプションやパーティがあるので
参加者同士の親交も図れ、いろいろな意見交換や情報交換もでき大変有意義でした。 (終わり) |