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テレビ会議システム ウェブ会議システム 電話会議システム
会議システムとは
Collaborative Conferencing, Rich Media Conferencing, Integreted Conferencing

遠隔会議システムは、コミュニケーションツールのひとつだが、下図のとおり、リアルタイム性と多地点接続に特徴がある。

遠隔会議システムは、遠隔会議システム(Teleconferencing)、リモートコラボレーション(Remote Collaboration)、リッチメディアコミュニケーション(Rich Media Comunications)、インテグレーティドコンファレンシング(Integrated Conferencing)、あるいは、あまり聞かれはしないがコミュニケーションとコラボレーションを合体させたコラブリケーション(Collabrication)などと呼ばれ、基本的な意味は、同じだが、リモートコラボレーション、リッチメディアコミュニケーション、インテグレーティドコンファレンシングは、昨今の、SIPという通信プロトコルをベースにインスタントメッセージングやプレゼンスなどの新たな機能が会議システムと統合(組み合わせる)されてきているため、従来の会議システムの定義付けの範疇から超えてきている技術的状況を反映している。

Teleconferencingは、テレビ会議(ビデオ会議)、電話会議、ウェブ会議を総称しての遠隔会議システムという意味合いで長年使われてきたが最近はあまりなく、寧ろCollaborative Conferencing、Rich Media Communicationsなどの呼び方が一般的となってきている。また、Teleconferencingは、遠隔会議システムを包含した意味だけでなく、電話会議システム(Audioconferencing)の意味で使われることも多い。

また、コラボレーションという言葉が入っているのは、今までのテレビ会議や電話会議での相手の顔を見て、声を聞いてだけでなく、ウェブ会議に見られるネットワーク(インターネットなど)で資料を共有したりする“ネットワーク上の共同作業”という機能が付いてきたので、共同作業ができる、つまりコラボレーションという言葉が使われるようになった。  
ちょっと説明がややこしくなったが、会社の会議室に大きなテーブルがあったとしよう。そこに設計図が広げられ、そこで皆が「ここはこうだ。」とか言って書き込みをしたりして、新たな設計図を作ったりするかと思うが、それを遠隔地の人達と電子的、バーチャルの環境で行うことを言う。


会議システムは、ブロードバンドを背景に「コミュニケーション」ツールから
コミュニケーション+コラボレーション」ツールへと変化してきている。

コラボレーションとは、遠隔の同僚と、打ち合わせをしたり、共同で資料をつくったりと、一緒に仕事、作業をすること。今までの会議システムは、単に相手との意思疎通を行う機能を主に提供してきたが、ブロードバンドによって、打ち合わせ資料などを遠隔の同僚とリアルタイムで共有し、作業を行うことができるようになってきた。
共同作業をコラボレーションと言うが、リモートコラボレーションなどの言葉がそれらに当たる。それらの技術、言葉はアメリカから来ているため、適切な日本語がないため、そのまま使われているが、アメリカであっても、リモートコラボレーション、リッチメディアコミュニケーション、インテグレーティドコンファレンシングを理解できる人は業界外では少ない。日本でも業界の内で通用している言葉で、一般ではまだ理解できる人は少ない。
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テレビ会議(ビデオ会議、ビデオカンファレンス)システムとは
Video conferencing, video meeting
テレビ会議とは、映像を使い遠隔地との間で、相手の顔や声を見ながら、ミーティングすることを実現する電子会議技術。1対1だけでなく、3拠点以上を結んでのテレビ会議もある。

専用の端末かPC用のソフトウエアがあり、基本的には、ISDN(H.320)かIP回線(H.323)で使う。テレビ電話では、数は少ないが一般公衆回線を使うタイプもある。端末2台があれば、テレビ会議が行える。3カ所以上であれば、MCUという装置が必要になる。MCUは多地点接続装置と呼び、3カ所以上を同時に接続してテレビ会議を行えるようにする装置。この装置を購入するという方法があるが、テレビ会議多地点接続サービスを使う方法がある。

テレビ会議という呼び方は、もっとも古い呼び方のようで、最近はメーカーによっては、ビデオ会議という呼び方もある。他には、テレビ電話会議、ビデオカンファレンス、映像コミュニケーション、ビジュアルコミュニケーション、画像会議などさまざまな呼び方がある。電話やFAX、メールみたいに統一化された言葉は現在ない。

テレビ電話とテレビ会議の違いだが、技術的には中身はほとんど同じ。コンシューマーを意識した製品か、それともビジネスを意識した製品かで、メーカーで、Aの製品はテレビ電話、Bの製品はテレビ会議と呼んでいるようだ。

強いて言えば、電話のようにテレビ電話は、1対1を想定したものであるため、テレビ(相手が見える)電話となるが、テレビ会議については、会議という言葉が示すとおり、ビジネスミーティングを想定した製品ということから、そういった意味で、テレビ電話とテレビ会議をわけているという面もある。しかし、テレビ会議かと思っていると、テレビ電話と呼ばれることもある。逆はあまりないが、その点境界線は曖昧となっている。

ちなみに、なぜビデオ会議かということだが、英語が“video”conferencingという言葉になるため、“ビデオ”会議としたという経緯もあるが基本的にユーザーから発した言葉ではなく、逆にメーカー側から出てきた言葉。

英単語が出てきたので余談だが、、「Videoconferencing the whole picture」 (James R. Wilcox著,2000年)によると、videoconferencingという英語単語の由来は、videoは、 ラテン語のvidere見る(I see)から来ており、conferencingは、conferre、人を集める(bring together)から来ている。また、videre(見る)とaudio(聞く)と合体させた言葉が、videoとなる。videoというと映像、イメージという意味で使われるが、本来の意味を厳格に捉えると、映像と音声の組み合わせをvideoと呼ぶ。

話は戻るが、今まではテレビと同じくらいの映像品質はテレビ会議では無理だった。しかし、一般のユーザーからすると、テレビ会議という言葉から発するイメージというものを見ている。一例では、昔テレビ電話を紹介したら、画面を見るなり、「これはテレビじゃないじゃないの。これでは使い物にならない。」という話になったことがある。

つまり、こういった悪いイメージを打開するため、テレビとテレビ会議は違うのだというイメージ作りと、テレビ会議に対してより先進的なイメージを作るという目的のもと、ビデオ会議という言葉が出てきた。

メーカー販社などによってテレビ会議と呼ぶところもあるし、ビデオ会議と呼ぶところもある。製品、技術の違いというよりはイメージ戦略的という考え方が適切かと思う。

80年代以前からの新聞を見てみると、ほとんどテレビ会議という呼び方で、ビデオ会議という記事の書き方をしているのは、最近になって増えてきているの感じだが、まだ少数派ではあるが専用端末メーカーだけでなく、新興のウェブ会議システムのメーカーなどもビデオ会議と呼ぶところが増えている。

ビデオ会議という言葉が出てきた当初は、テレビ会議に対する新鮮なアプローチという印象があったが、今度はビデオという言葉から発するイメージはどうかという問題もあるような気はする。一般のユーザーがビデオから想起する言葉は、ビデオデッキ、ビデオゲーム、ビデオカメラなど。また、各家庭に普及したビデオは、テレビから録画された映像のため、リアルタイムではないし、映像はテレビよりコピー処理をするため若干悪いのが普通。また、特に最近テレビ映像に近づいているビデオ会議は、一般のユーザーからもつ言葉のイメージからしっくりこない。

確かに、英語では、videoであるので、ビデオという言葉が、英語との調和性ではしっくりいくが、日本語環境だけで考えた場合、イメージの整合性はどうかという気もする。寧ろ英語は忘れて、日本語環境でベストな言葉を考えたほうがよいのではないだろうか。これはIT全般に言えることだが、欧米からの輸入であるため、適切な日本語が見あたらないということが最大の原因とは思う。

畑村式「わかる」技術(畑村 洋太郎著 講談社現代新書)によると、人間は、自分の周りで起こる事象を理解するためのテンプレートを持っているという。テンプレートが沢山ある人は、それだけ理解力が高いし、人はすでにもっている、そのテンプレートを適用することによって新しいことを理解しようとする。しかし、テンプレートがないと理解はできない。ということをこの本では言っている。

畑村式にテレビ会議、ビデオ会議を理解しようとした場合、特に今まで使ったことがない人が理解しようとした場合、今の言葉で適切なのかという疑問は残る。つまり、テレビ会議とビデオ会議、それぞれの言葉から適切なイメージを描いてもらえるかどうかということだ。

また、テレビ会議、ビデオ会議以外にも、テレビ電話会議、ビデオカンファレンス、映像コミュニケーション、ビジュアルコミュニケーション、テレビ電話、ビデオフォンなどなどという言葉が使われるということは、ユーザーの観点からするとわかりずらい面がある。

ビジュアルコミュニケーションは、映像通信の意味で使われるが、デザインの分野でもビジュアルコミュニケーションという言葉は使われる。

映像コミュニケーションと言った場合は、テレビ会議というビジネスでの打ち合わせなどで使うという意味合いを超え、今までのテレビ電話とテレビ会議だけでなく、そして映像を使った利用、たとえば、テレビ受付、遠隔授業など幅広い意味を持っているため、逆に映像コミュニケーションが、それら全てを含む総称言葉となって使われていることも見られる。

これらについては何とかしなければならないという意識は業界にはあるが、なかなか進んでいないというのが現状。ひとつは、英語からの発想の離脱が必要なのかもしれない。我々の日本語の感覚ではどうなのかということだ。


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テレプレゼンスシステムとは
telepresence
テレプレゼンスシステムとは、テレビ会議システム、回線ネットワーク、ディスプレイ、AV音響システム、オフィス机、椅子、 防音システム、会議室などをトータルにインテグレーションしたシステムを指す。

テレプレゼンスとは、英語で”テレ(tele)”、つまり遠隔という意味の接頭語に”presence”、存在という言葉がついた単語。immersiveと言う言葉でテレプレゼンスシステムを形容する場合があるが、その場合の意味は、一般的には、”没入感”と訳されるが、要は、テレプレゼンスが技術で実現されたバーチャル環境だということを実感させない(ある意味リアルとバーチャルの区別を錯覚させる)という意味合いで使われている。

テレビ会議のvideoconferencingは、video(映像と音声の意味)とconference(相談、ラテン語)から、”遠隔にいる人と映像と音声を使い相談することを可能とする装置”を意味する。videoconferencingには、相手との距離感が残っているが、テレプレゼンスによって、スタートレックの映画ではないが、テレポテーションを意識した意味が込められている。つまり、テレ+プレゼンスとなることによって、自分を相手の遠隔の会議室に”存在”させる装置ということだ。そういった意味が込められている。

従来からもシステムインテグレーションでは、カスタマイズベースで行われていたものではあるが、ここ数年それらを”製品パッケージ”あるいは”マネージドサービス”として提供する企業が北米を中心に本格的に現れてきた。こういったシステムは、非常に高価で、1拠点あたり数千万円以上かかる。80年代の大がかりなテレビ会議システム室を彷彿とさせる面もあり、テレプレゼンスを必要とする企業は、超大手企業など非常にニッチなマーケットしかないという見方もある。

だが、映像や音声、そしてデータ共有などの品質は、非常に高く、映像音声に違和感はほとんど感じられないのが最大の特徴。また、テレプレゼンスシステムによっては、人の心理におよぼす影響を考え、外の音などをシャットアウトする防音システム、相手を等身大に映し出すためのディスプレイのサイズ、テーブルのデザイン、椅子の心地よさ、 照明の明るさ、照明アングルなど細かいところまでこだわったシステムを提供しているところもある。 エルゴノミクス(人間工学)を考えた椅子が市販されているが、これは、人を中心にエルゴノミクスを考えたテレビ会議システムと言える。

従来市販されているテレビ会議システムとの相互接続性だが、相互接続が出来るシステムと、テレプレゼンス専用としているシステムの2種類がある。前者は、つまり、従来市販されているテレビ会議がサポートしている通信プロトコル(H.323やSIP)で通信するため相互接続性が提供されているが、テレプレゼンス専用の場合は、その指定されたテレプレゼンスシステム同士のみとなる。ただ、後者であっても、電話会議システムやウェブ会議システムがそのテレプレゼンスシステムで行われる遠隔映像ミーティングに参加接続することも可能だ。また、相互接続性をサポートする方向にも動きが見れる。

しかしながら、人を中心にエルゴノミクスを考えたテレビ会議システムという、テレプレゼンスの本来的な意味合いと目的を考えると、そういった従来市販されてるテレビ会議システムとの連携は、過渡的な動きといえるのではないか。将来的な方向とすれば、テレプレゼンスが一般化していくのが本来的ではないかと思う。

余談だが、映像コミュニケーションの究極の目的は、テレポテーションだと思う。テレポテーション実現には、まだ500年あるいは1000年以上の時間が必要かもしれないが、20世紀のエジソンと言われIT業界を牽引してきた第一人者の一人と言われるレイカーツワイル氏の「未来は加速化している」ということを考えると、我々の世代が生きているかわからないが、そう遠い未来ではない未来で実現するかもしれない。

テレビ会議(テレビ電話からコーデック/ルームタイプの範囲)とテレプレゼンス
(価格、システム規模、インテグレーション度)

 

 

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ウェブ会議(Web会議、ウェブカンファレンス)システムとは
Web conferencing, online presentation, remote data sharing, web meeting

ウェブ会議とは、インターネットに接続されたPCで資料共有をしたりすることにより、遠隔地との間で電子ミーティングを行う技術。90年代後半にアメリカから出てきた技術で、インターネットの出現とブロードバンドの普及が背景にある。

ウェブ会議のコンセプトの発祥としては、アメリカでは、1970年代に”The NetworkNation−Human Communication via Computer(Starr Roxanne Hiltz、Murray Turoff著)の本で、"Computer Mediated Communication(CMC)"にその源がある。

英語で、web conferenceと言う。ウェブ会議以外では、英語のままだが、ウェブカンファレンスという言い方もある。CNAレポートが99年に発行した定期レポートでは、”ウェブコンファレンス”と書いたが、現在では、表記方法としては、ウェブ会議だけでなく、web会議という書き方も一般的。

北米と日本とのウェブ会議のイメージの違い



ウェブ会議システムは、日本ではPC版のテレビ会議というイメージが強いが、本家のアメリカでは、見方が少し違う。PC版のテレビ会議という見方というよりは、電話会議のための資料共有機能という見方が強い。

北米では、ウェブ会議は、90年代後半にサービスなどで市場に出てきたが、日本では、2001年以降に本格的に出てきたという違いがあるため、タイムラグがある。日本のウェブ会議は、ビデオ会議機能が最初からついていたため、ウェブ会議はPC版のテレビ会議というとらえ方が強い。

北米ではウェブ会議は、"音声会議のスーパーセット(superset of audioconferencing)"や”ウェブサイト用のマルチメディアコミュニケーションツール”などと言われていた。ウェブ会議というと、インターネットのブラウザーを使い資料を共有、そして音声は電話でコミュニケーションを行うというのが一般的な定義だった。

電話会議が1970年代から使われ広く普及している北米では、ウェブ会議の運用は、電話会議との併用が当時は現実的な利用方法だった。しかし、将来的にはVoIPが方向性だろうという見方は90年代当時からあった。

ウェブ会議という言葉は、北米で98年後半ぐらいから出てきたようだが、98年の米のビジネス誌でも、99年前半に出版された会議システム入門誌にもウェブ会議という言葉は出てこない。データ会議という言葉が使われ、テレビ会議でよく出てくるT.120と対比されて説明されていた。

アメリカでは、現在すでに100社以上の会社がウェブ会議サービスを提供していると言われている。今はブロードバンド化の方向のため映像がついたビデオ会議機能を搭載したウェブ会議も北米では見られるようになったが、映像機能は付けないウェブ会議もまだまだ多い。それに対して、日本では、ウェブ会議にはビデオ会議機能が標準になっている。

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電話会議(音声会議)システムとは
Audio conferencing, audio meeting, teleconferencing
電話会議は、音声会議とも呼ばれるが、電話での1対1あるいは、3拠点以上を結んだ音声(基本的に声)だけで行う電子的なミーティングを指す。

専用の電話会議端末を購入し、1対1で電話回線やVoIPで使うか、3拠点以上であれば、電話会議サービスを利用する方法、電話会議MCUを導入する方法がある。最近はVoIPに対応した電話会議端末に内蔵MCUを内蔵したものがある。

電話会議は、専用の端末を購入して行う場合もあるが、今の電話機でも行える。しかし、電話機では、ハンズフリーはできない場合があるし、長時間耳に受話器を当てて電話会議を行うのは大変である。専用の端末は、スピーカーとマイクを内蔵しており、ハンズフリーで話しができるため、複数の人数がその端末を囲んで遠隔地と電話会議が行える。

欧米でもっとも古く、電話会議サービスとしては、1970年代からアメリカで始まっている。日本でも当初電電公社が1984年から、ベンチャー企業が1989年から電話会議サービスを始めていた。

長年電話会議という言葉が使われてきたが、音声会議と呼ばれるのは、音声会議にあたる英語が、audioconferenceになるからだ。Audioを音声とそのまま訳しているということだが、やはりメーカー側のイメージ戦略的な理由から電話会議というより、音声会議と呼ばれているのだろう。最近の電話会議端末は、通常の電話での音声品質よりも、CD並の音声を実現したものもあるため、電話会議だと従来のイメージがつきまとい、製品の特徴を十分に引き出したイメージ作りができないという判断がはたらいたのだろうか。

日本では、テレビ会議がよく話題になり、需要としても電話会議よりもテレビ会議にあるとはよく言われる。その傾向は日本だけでなく、会議システムと言えばテレビ会議という中国や、インド、その他のアジア諸国でも、テレビ会議が多い。それに対して欧米では電話会議がより好まれる。アメリカは世界テレビ会議市場だが、電話会議は桁違いに大きい市場を持ち電話会議でも世界最大の市場と言われている。

テレビ会議端末の購入と電話会議端末の購入であれば、電話会議端末の購入は低コストだ。そのためか、ここ数年電話会議の需要が日本でも大きくなっていると言われている。その影響から海外からも電話会議サービスで日本参入する欧米企業もある。

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